俳句一覧

俳句の一覧です。

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俳句 作者 季語 季節 分類 年
秋深み朝夕山を母として 阿部みどり女
萩を刈ることがのこされ冬隣 阿部みどり女
海底のごとく八月の空があり 阿部みどり女
秋の日の弱りし壁に唐辛子 阿部みどり女 唐辛子 秋, 三秋 植物
芒抱く子に満月を知らさるる 阿部みどり女
十月の落葉は青くあたらしく 阿部みどり女
重陽の夕焼けに逢ふ幾たりか 阿部みどり女
鈴蟲のお伽に安き眠りかな 阿部みどり女
山澄みて神見そなはす廣田かな 阿部みどり女
秋風や凝りては動く午後の雲 阿部みどり女
霊園に詣る夢見て秋の昼 阿部みどり女
観音の影のさまなる貴船菊 阿部みどり女
つややかな樫の實まろぶ尼の墓 阿部みどり女
壺の棗日々に赤らみ縮みゆく 阿部みどり女
門前や走り止らぬ十三夜 阿部みどり女 十三夜
がまずみの實に太陽のひとつひとつ 阿部みどり女
柿の枝盆を餘りて風情とす 阿部みどり女
雨欲しき待宵草の香のほのか 阿部みどり女
天と地に別れ別れに十三夜 阿部みどり女 十三夜
くねくねと山の野菊も添へ插され 阿部みどり女 野菊 秋, 仲秋 植物
昼の暗月下美人の花底に 阿部みどり女
夜の音月下美人に吸ひこまれ 阿部みどり女
月下美人一分の隙もなきしじま 阿部みどり女
月下美人あしたに伏して命あり 阿部みどり女
吾亦紅淡路女の忌の遠く近し 阿部みどり女 吾亦紅 秋, 仲秋 植物
桔梗の蕾をぽんと鳴らしけり 阿部みどり女 桔梗 秋, 初秋 植物
沼の水月を動かし雁渡る 阿部みどり女 雁 秋, 晩秋 動物
松伐られゆく麓より威銃 阿部みどり女
草原のごと海の展けし秋の夢 阿部みどり女
佛前に供ふ霜月の山龍膽 阿部みどり女
死を悼むこころを縛す夜長かな 阿部みどり女 夜長 秋, 三秋 時候
落鮎を争ふ鷺のありにけり 阿部みどり女
秋の空日々好日を願ふのみ 阿部みどり女 秋の空 秋, 三秋 天文
神佛の我家にひとり秋深し 阿部みどり女
白芙蓉一日一日を大切に 阿部みどり女 白芙蓉
空一杯鰯雲なり夢の中 阿部みどり女 鰯雲 秋, 三秋 天文
友の訃に山怖しく秋の暮 阿部みどり女 秋の暮 秋, 三秋 時候
蜻蛉の四枚の薄羽秋の風 阿部みどり女
蜻蛉の影には翅の光りなし 阿部みどり女 蜻蛉 秋, 三秋 動物
海の香とたうもろこしを焼く匂ひ 阿部みどり女
秋愁や白雲むらがり海の紺 阿部みどり女
雨音に馴れしこのごろ九月かな 阿部みどり女
大玻璃の霧家々を遠くしぬ 阿部みどり女
群れ入りし小鳥胡桃にまぎれけり 阿部みどり女
声出せば鈴蟲鈴を振り出しぬ 阿部みどり女
岩菲插す濃霧の山の水を汲み 阿部みどり女
神に水佛に線香秋深む 阿部みどり女
曼珠沙華野を思はする庭の土手 阿部みどり女 曼珠沙華 秋, 仲秋 植物
太陽を厭ふが如し曼珠沙華 阿部みどり女 曼珠沙華 秋, 仲秋 植物
秋の雨いよいよ森を夜に誘ふ 阿部みどり女 秋の雨 秋, 三秋 天文
草の雨一歩踏み出す足袋白し 阿部みどり女
栗鼠渡る秋深き樹を皆仰ぎ 阿部みどり女
花よりも濃き紅の茎秋海棠 阿部みどり女 秋海棠 秋, 初秋 植物
ななかまど小鳥のための實となりし 阿部みどり女
野の花は野の花の品冬隣 阿部みどり女
蜂蠅の遊び場となる乱れ菊 阿部みどり女
唇の荒れの久しく冬来る 阿部みどり女
曼珠沙華二本づつ立ち雨の中 阿部みどり女 曼珠沙華 秋, 仲秋 植物
大雨に朱の糸くづさず曼珠沙華 阿部みどり女 曼珠沙華 秋, 仲秋 植物
菊の蜂部屋をめぐりて菊日和 阿部みどり女 菊日和 秋, 仲秋 天文
萩からげて初冬の庭となりにけり 阿部みどり女
煤の顔集めて物の置所 阿部みどり女
煤掃きつゝも商へる小店かな 阿部みどり女
海穏か布団たゝんで縁に立つ 阿部みどり女
氷砕けて実南天の蔭にありし 阿部みどり女
歩み止めば音何もなし落葉かな 阿部みどり女 落葉 冬, 三冬 植物
三人かざす火鉢小さし冬椿 阿部みどり女 冬椿 冬, 晩冬 植物
頭巾ぬぐや縫物片寄せて母やさし 阿部みどり女
雨しみて幹の黒さや冬ごもり 阿部みどり女
冬ごもり書籍に床の歪み居り 阿部みどり女
白足袋や帯の固さにこゞみ穿く 阿部みどり女
ぼやけ日残る銀杏の空や時雨けり 阿部みどり女 時雨 冬, 初冬 天文
枯木透いて屋根段々や冬の雨 阿部みどり女 冬の雨 冬, 三冬 天文
冬ばらに落葉乏しくなりにけり 阿部みどり女
落葉山一つ燃えゐて秋社 阿部みどり女
すがれたる菊に初冬の塀高し 阿部みどり女
煤煙に又も暗さや枇杷の花 阿部みどり女 枇杷の花 冬, 初冬 植物
書籍積みて冬中塞ぐ窓辺哉 阿部みどり女
炭切るや焚火の灰を且つ被り 阿部みどり女
鴨の池にまだ落葉ふる少しづゝ 阿部みどり女
風邪気味の働くいやな日向ぼこ 阿部みどり女 日向ぼこ 冬, 三冬 生活
寒菊にいぢけて居ればきりもなし 阿部みどり女 寒菊 冬, 三冬 植物
札納めて遠く拝しぬ帰りぎは 阿部みどり女
草箒どれも坊主や返り花 阿部みどり女 返り花
又重きポンプとなりぬ冬椿 阿部みどり女 冬椿 冬, 晩冬 植物
日に出せば鰭動かしぬ寒金魚 阿部みどり女
炭出すや寒うち焚かぬ湯殿より 阿部みどり女 炭 冬, 三冬 生活
髷の雪ぬぐはず炭を足し居りぬ 阿部みどり女
行燈に頬片かげり近松忌 阿部みどり女
蘆の風に流るゝさまやかいつむり 阿部みどり女 かいつむり
渡殿や人行き交うてお霜月 阿部みどり女
寒梅や風に伏し伏し坂下る 阿部みどり女 寒梅
ただ一つ白きつゝじの返り花 阿部みどり女 返り花
水鳥に胸おしつけて舟下ろす 阿部みどり女 水鳥 冬, 三冬 動物
人よれば驢馬うれしがる冬日哉 阿部みどり女 冬日 冬, 三冬 天文
冬の庭伐られし桐の生々と 阿部みどり女
寺に生れて経をきらひぬ冬椿 阿部みどり女 冬椿 冬, 晩冬 植物
札納めて賑ふ町に小買物 阿部みどり女
冬の灯に子達を追うて寝かしけり 阿部みどり女
やもめなる人子に仕へ寒灯 阿部みどり女

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