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天文
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件数
100
俳句
作者
季語
季節
分類
年
岩つゝじ打折るひゞき掌にありぬ
阿部みどり女
あやまちて酒のしぶきや汐干舟
阿部みどり女
橋の上に顔覗かれぬ汐干舟
阿部みどり女
椎の葉のざわめき合ひぬ春の雪
阿部みどり女
春の雪
春
,
三春
天文
夕づけば明るさ斑の春田かな
阿部みどり女
春田
春
,
三春
地理
塵捨てに出てそれなりや梅の木戸
阿部みどり女
茶摘女の籠おどらせて追ひ寄りし
阿部みどり女
茶摘女
伏せ籠の雛にかゞみぬ花吹雪
阿部みどり女
苗床や風に解けたる頬かむり
阿部みどり女
潦花圃をめぐりぬ春の雨
阿部みどり女
春の雨
春
,
三春
天文
雛しまふことおつくうに過しけり
阿部みどり女
雛
梅活くるうしろに人のいつか坐す
阿部みどり女
梅
春
,
初春
植物
雨にはしる人はやし居り花の窓
阿部みどり女
手伝ひの勝手わからず春の風邪
阿部みどり女
東風の岸下駄をつないで持つ子かな
阿部みどり女
東風
春
,
三春
天文
父が墓百里へだつる椿かな
阿部みどり女
椿
春
,
三春
植物
つくばひに蕗の薹のせて忘れけり
阿部みどり女
蕗の薹
春
,
初春
植物
屋根替の埃の中に立話
阿部みどり女
屋根替へて煤け障子に住ひけり
阿部みどり女
花疲れ一つ床几に女同志
阿部みどり女
歩み来て辛夷の下に話しけり
阿部みどり女
辛夷
春
,
仲春
植物
両側のつゝじ見て入る館かな
阿部みどり女
裏がへる絵馬一つあり東風の宮
阿部みどり女
東風
春
,
三春
天文
夕東風に舟傾きて進みけり
阿部みどり女
うつくしき尼にまみえし彼岸かな
阿部みどり女
彼岸
春
,
仲春
時候
苗床にはいりきりなる二三人
阿部みどり女
一枝にかたまり咲けるしどみかな
阿部みどり女
病床の裾の小窓や花ぐもり
阿部みどり女
顔知らぬ人々寄りぬ人麿忌
阿部みどり女
草の芽や夕日かゞやくゴルフ場
阿部みどり女
春の水堰きゐる石の下よりも
阿部みどり女
春の水
春
,
三春
地理
明らかに花粉とびつぐうらゝかや
阿部みどり女
蝶々にゆれかはりつゝ垣根かな
阿部みどり女
蝶々
飾りたる小町雛のうれひ眉
阿部みどり女
雛
大風に羽織かむりて田螺とる
阿部みどり女
田螺
春
,
三春
動物
連翹の一枝はしる松の中
阿部みどり女
連翹
春
,
仲春
植物
強東風によしずたふれし茶店あり
阿部みどり女
強東風
手拭の吹きとんでゐる東風の宮
阿部みどり女
東風
春
,
三春
天文
藤色の揃ひ座布団雛の前
阿部みどり女
雛
大風に閉ざす障子や蜆汁
阿部みどり女
蜆汁
春
,
三春
生活
枯枝のさし交はしをる椿かな
阿部みどり女
白鳥の並んで来たる春の水
阿部みどり女
春の水
春
,
三春
地理
大いなる門の内より春の蝶
阿部みどり女
春の蝶
大風によろめきながら汐干狩
阿部みどり女
汐干狩
春
,
晩春
生活
いさゝかの埃をたてゝ梅に掃く
阿部みどり女
ぬかるみの道の狭さよ雛の市
阿部みどり女
蕨狩して退屈な日を送る
阿部みどり女
蕨狩
春
,
仲春
生活
敷き馴れしわが座布団や春の雨
阿部みどり女
春の雨
春
,
三春
天文
ステッキで叩いてゐるや春の水
阿部みどり女
春の水
春
,
三春
地理
沈丁や風の吹く日は香を失す
阿部みどり女
沈丁
父の画に母の賛あり初雛
阿部みどり女
初雛
草庵ににはかの客や貝雛
阿部みどり女
雪掻いて普請はじまる弥生かな
阿部みどり女
撫子の思ひがけなく鉢に萌ゆ
阿部みどり女
燈籠のかずかず濡れぬ花の雨
阿部みどり女
花の雨
春
,
晩春
天文
夜桜や遠くに光る潦
阿部みどり女
渡殿にはりつく花や嵐あと
阿部みどり女
樹の下に遍路が一人雨やどり
阿部みどり女
大勢をたのみて土手を焼きはじむ
阿部みどり女
侘住もたのしきものよ栄螺焼く
阿部みどり女
納め雛草のしとねに影長く
阿部みどり女
浦人の千鳥を知らぬうらゝかや
阿部みどり女
カーテンの隙に大きな春の雪
阿部みどり女
春の雪
春
,
三春
天文
鏡台をたまたま縁に春の塵
阿部みどり女
春の雨といへどなかなかはげしけれ
阿部みどり女
春の雨
春
,
三春
天文
潅仏のお寺の庭に手毬つき
阿部みどり女
夜の明けし草木と我に飛燕かな
阿部みどり女
飛燕
うぶすなへ桜芽をふく真中を
阿部みどり女
風少し出て春水に情あり
阿部みどり女
春水
家居より外出尚よし春の雨
阿部みどり女
春の雨
春
,
三春
天文
鉢藤や蜂のうなりは玻璃の外
阿部みどり女
幻のまぶたにかへる春の闇
阿部みどり女
かゝる間も時はすぎ行く菖蒲の芽
阿部みどり女
花冷えの畳を掃ける夕心
阿部みどり女
花冷え
春
,
晩春
時候
大幹を花の暖簾が打ちたゝき
阿部みどり女
さへづりの本丸さして坂のぼる
阿部みどり女
芹の花美しき水ともなへる
阿部みどり女
徂春のうつむき給ふ観世音
阿部みどり女
春の空日の輪いくつも色となり
阿部みどり女
春の空
春
,
三春
天文
カナリヤにはこべが見えぬほどに暮れ
阿部みどり女
わかれたる顔おぼろなるバスの中
阿部みどり女
子を負へる影に昔を春の月
阿部みどり女
春の月
春
,
三春
天文
春の月岸にかゞみて水を見る
阿部みどり女
春の月
春
,
三春
天文
芽吹く庭胸に打たれし五寸釘
阿部みどり女
海も山も弥生を待つてゐたりけり
阿部みどり女
黄を尽くしたんぽぽ絮となりにけり
阿部みどり女
頬白の嘴より落ちし蝶の羽
阿部みどり女
門出でて鼻つく闇の蛙かな
阿部みどり女
蛙
春
,
三春
動物
春の雷山吹の黄が葉がくれに
阿部みどり女
春の雷
春
,
三春
天文
干物に木の葉のごとく蜂落ちし
阿部みどり女
みちのくの二月恐るる卒壽あと
阿部みどり女
菜畑に日輪あまねく鳩あそぶ
阿部みどり女
立春や雪に届きし遺稿集
阿部みどり女
立春
春
,
初春
時候
ものの芽に引かるる弱足自ら
阿部みどり女
初蝶の句を書き給へ淡路女忌
阿部みどり女
小波の小魚とも見えあたたかし
阿部みどり女
あたたかし
鶯の一度きりなる夢に入る
阿部みどり女
遠山もさだかに春よ佛舎利塔
阿部みどり女
臆病の一歩踏み出す二月かな
阿部みどり女
二月
春
,
初春
時候
命より俳諧重し蝶を待つ
阿部みどり女
蝶
春
,
三春
動物
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