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初夏
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仲冬
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分類
時候
天文
地理
生活
行事
動物
植物
キーワード
件数
100
俳句
作者
季語
季節
分類
年
来客やしまひおくれし籠枕
阿部みどり女
松島の若葉に没す夕鴉
阿部みどり女
若葉
夏
,
初夏
植物
曇り来て田植の笠も曇りけり
阿部みどり女
田植
夏
,
仲夏
生活
病院に通ひなれたり麦の秋
阿部みどり女
麦の秋
夏
,
初夏
時候
山百合やまだ公園の整はず
阿部みどり女
合歓の咲く水辺に跼み物語り
阿部みどり女
日を見ずに暮るゝ一日や白牡丹
阿部みどり女
白牡丹
風鈴や肌さらさらと病よき
阿部みどり女
風鈴
夏
,
三夏
生活
香水に心驕れる女かな
阿部みどり女
行水の子を垣間見て垣曲る
阿部みどり女
谷底へかけて虹たつ山明り
阿部みどり女
虹
夏
,
三夏
天文
山風のおさまれば百合草に起ち
阿部みどり女
夫の留守朝顔の苗育てけり
阿部みどり女
薄羽織ぬいでたゝみぬ椿餅
阿部みどり女
方丈といふには若し更衣
阿部みどり女
更衣
夏
,
初夏
生活
山路やうつぎの隙の海の紺
阿部みどり女
木苺のしみのつきたる旅衣
阿部みどり女
夏足袋をはいて酒気帯ぶ園主かな
阿部みどり女
夏霞小舟二艘は海女が漕ぐ
阿部みどり女
羅の商人通る日本橋
阿部みどり女
羅
夏
,
晩夏
生活
牧はるか屯す馬に雲の峰
阿部みどり女
雲の峰
夏
,
三夏
天文
朝よりは宵の香うすき花蜜柑
阿部みどり女
飯の湯気梅雨の面にあたゝかき
阿部みどり女
すいすいと草そよぎをり蛇苺
阿部みどり女
じやがいもの花に朝の蚊沈みゆく
阿部みどり女
茄子の花朝の心新しく
阿部みどり女
羅の袂に触れし女鹿かな
阿部みどり女
羅
夏
,
晩夏
生活
涼みをる我等に月のまどかなる
阿部みどり女
ざざ洩りの柄杓とりあぐ清水かな
阿部みどり女
清水
夏
,
三夏
地理
鳩立ちて児は呆然と風かほる
阿部みどり女
満潮の松島湾に藻刈屑
阿部みどり女
水を汲む豊かな音に夏暁けぬ
阿部みどり女
夏草のひそかに暗く暁けにけり
阿部みどり女
髪切虫ぎぎぎとこたふ闇に捨つ
阿部みどり女
大坂の西日の屋根の重なれる
阿部みどり女
車前草の小さくたしかな梅雨の影
阿部みどり女
雨涼し白衣ながらも肩の幅
阿部みどり女
海の風アーチのばらにことごとく
阿部みどり女
大椎の中よりいでし梅雨の蝶
阿部みどり女
藁屋根に梅雨の大松かぶされる
阿部みどり女
鮎掛の移りし水の月明り
阿部みどり女
物言はぬ独りが易し胡瓜もみ
阿部みどり女
光陰は竹の一節蝸牛
阿部みどり女
蝸牛
夏
,
三夏
動物
夕若葉かんしやく玉に驚ける
阿部みどり女
生涯に尊き一と日嶽若葉
阿部みどり女
胡桃若葉積木の家の並び建つ
阿部みどり女
遠方の若葉静かや磧行く
阿部みどり女
若葉
夏
,
初夏
植物
ひらひらと地に着くまでの竹落葉
阿部みどり女
ふかふかと竹の落葉の谷をなし
阿部みどり女
竹落葉草の空間谷をなし
阿部みどり女
消え去るは君のみならず夏落葉
阿部みどり女
釘文字の五月の日記書き終る
阿部みどり女
深沼の陽炎を恋ひ籠りゐる
阿部みどり女
矢車に順じて小さき鯉幟
阿部みどり女
鯉幟
夏
,
初夏
生活
著莪咲けば姉の忌日の来りけり
阿部みどり女
生も死も分かず五月も過ぎんとす
阿部みどり女
初剪りの紅白の牡丹靄の中
阿部みどり女
鳩も無聊雀も無聊梅雨長し
阿部みどり女
退院の握手を医師と夏の雲
阿部みどり女
病後の身縁に椅子出し月見草
阿部みどり女
かたつむり葵の濡れしところ食む
阿部みどり女
昼蛍黒くかたまり唯の蟲
阿部みどり女
長短の花揺れやまず土用寒
阿部みどり女
野良猫の揺らして過ぎし鹿の子百合
阿部みどり女
安達太良に白雲生まれ袋掛け
阿部みどり女
秋風や石積んだ馬動かざる
阿部みどり女
秋風
秋
,
三秋
天文
町中を雑音を沈めて秋の川
阿部みどり女
戸一枚刈田に開けてかまど焚く
阿部みどり女
食卓にまたゝくや夜長の小蝋燭
阿部みどり女
夜長
秋
,
三秋
時候
灯を消すや障子の裾に及ぶ月
阿部みどり女
月
秋
,
三秋
天文
友は立ちて我は屈みて月の門
阿部みどり女
戻り見れば小桶に月の供草
阿部みどり女
縁の鏡にぺたりと坐して残暑人
阿部みどり女
かき合はす襟美しき風の菊
阿部みどり女
菊
秋
,
三秋
植物
日にかざす指環きらめきし菊の庭
阿部みどり女
夜の卓や光りあつめて林檎あり
阿部みどり女
秋雨や小柄杓握る手くらがり
阿部みどり女
秋雨
淋しさや筒よりぬけし萩にこそ
阿部みどり女
萩
秋
,
初秋
植物
糸瓜忌や女三人碑のうしろまへ
阿部みどり女
晩秋の紫苑の風にすがる虫
阿部みどり女
此所早く落葉被りぬ秋の宮
阿部みどり女
走馬燈句会の母に長き留守
阿部みどり女
走馬燈
夏
,
三夏
生活
ぽつぽつと野分に灯る茶屋淋し
阿部みどり女
野分
秋
,
仲秋
天文
秋風やしばしば頬に釣しぶき
阿部みどり女
秋風
秋
,
三秋
天文
やがて気づく菊の小雨や秋袷
阿部みどり女
秋袷
秋
,
仲秋
生活
墓掃いて昼にかゝりぬ鵙の寺
阿部みどり女
秋の灯や雨の茶店の早じまひ
阿部みどり女
菊晴や布団とぢゐて子に復習ひ
阿部みどり女
菊の日に用ため置いてうかと居ぬ
阿部みどり女
風添ひて傲れる萩に障子貼る
阿部みどり女
姉すめば代り坐りぬ秋鏡
阿部みどり女
だまされし今日の天気や菊句会
阿部みどり女
閨に遠くつるしかへけり轡虫
阿部みどり女
轡虫
秋
,
初秋
動物
腰折りて水覗き見し野菊かな
阿部みどり女
野菊
秋
,
仲秋
植物
来客や貼りかけ障子縁に出す
阿部みどり女
雲の中の明るさうれし月を待つ
阿部みどり女
月
秋
,
三秋
天文
母にからみて月の二階を下りにけり
阿部みどり女
母遂に上り来ず月の二階かな
阿部みどり女
白粉気なくて人柄秋袷
阿部みどり女
秋袷
秋
,
仲秋
生活
秋の日や米とぐ人の櫛のみね
阿部みどり女
秋の日
秋
,
三秋
天文
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