初鰹

鰹は春、黒潮に乗って北上し、若葉のころ伊豆、房総沖に到達する。そのころに獲れる鰹が初鰹。昔は、鎌倉沖で取れた鰹を早馬、早飛脚で生きたまま江戸まで運んだ。それだけに値段も高かったが、初物を食えば七十五日長生きできるといって、江戸っ子たちは競ってこれを求めた。「鎌倉を生きて出でけむ初鰹」この芭蕉の句は、鎌倉を生きたまま出荷された初鰹の活きのよさをたたえたもの。初鰹は、江戸っ子の食べ物なのである。

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