墨塗

小正月の風習で、祝儀として墨を塗り合い、その年の無病息災を祈る。新潟県十日町市の湯本地区では、前年に同地区の女性と結婚した男性を薬師堂から五メートル下の雪の上に投げ落とす「婿投げ」の後、正月の注連飾りや御礼、書き初めなどを持ちよって焼き、残った墨を互いの顔に塗り合い、この年の無病息災と家業繁昌を祈る「墨塗り」という行事として残っている。福島県伊達地方でも行われていたが、現在は行われていない。羽根突きなどの遊びの勝者が敗者に墨を塗る遊びのこともいう。

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